リゾート葬とは?メリット・デメリットや費用の目安を詳しく解説
「終活」という言葉が一般的になり、自分が入るお墓を生前のうちに探しているという方も多いでしょう。従来は先祖代々のお墓に入るのが一般的でしたが、近年は思い出の土地や観光地などにお墓を購入する「リゾート葬」が人気です。本記事では、リゾート葬のメリット・デメリットや、費用の目安を解説します。
リゾート葬とは?
リゾート葬とは、観光地やリゾート地、レジャー施設の近く、もしくはそれらの施設に併設された霊園に埋葬する新しい葬送のスタイルです。霊園そのものをリゾート葬と呼ぶ場合もあります。都会の喧騒から離れ、大自然の中で故人のことを偲んだり、お墓参りのついでに旅行も楽しんだりできることから注目を集めています。
リゾート葬の人気が高まっている理由
お墓といえば、「先祖代々受け継いでいくもの」「1つのお墓に一族が全員入る」といったイメージの強い方も多いでしょう。しかし、核家族の増加や家族構成の変化により、お墓に対する価値観も変わってきています。具体的には、伝統だけでなく個人の気持ちも重視する傾向が強まっています。生前から「思い出の場所にお墓を購入したい」「家族が楽しんでお墓参りできる環境を整えたい」と考える方が増えており、リゾート葬がそのニーズに応える選択肢として注目されています。
また、永代供養のニーズが高まっているのも、リゾート葬が人気を博している理由の1つです。永代供養とは、家族に代わって霊園や寺院などが遺骨などを管理・供養すること。身寄りや跡継ぎのいない方でも供養の心配がなくなることから利用者が増えています。リゾート葬では、永代供養墓を提供している霊園が多いため、時代の変化に対応する形で人気も高まっています。
リゾート葬のメリット
リゾート葬には、これまでの埋葬方法にはないメリットが多くあります。本人はもちろん、残された家族にどのようなメリットがあるのか確認しましょう。
お墓参りと一緒に旅行も楽しめる
リゾート葬を選ぶ場合、お墓参りのついでに旅行や観光も楽しむことができます。従来のお墓参りは、お盆やお正月などの長期休暇に行われることが多く、遊びたい盛りの子どもにとっては楽しいとは言い難いものでした。しかし、リゾート葬にすることでお墓参りと一緒に旅行も楽しめるようになり、お墓参りが子どもにとっても楽しいイベントになります。また、長期休みに限らず、週末などでも家族で一緒にお墓参りに行きやすくなるでしょう。
霊園に併設されている設備を利用できる
リゾート葬を提供する霊園には、墓地だけでなくさまざまな施設や設備が併設されています。リゾート葬を選ぶことで、それらの設備を利用できるのもメリットです。例えば、温泉やプライベートビーチ、ゴルフ場などが併設されている霊園もあります。人の集まりやすい時期でもゆったりと楽しめるのが魅力です。
・はなうたガーデン-伊東
静岡県伊東市にある当霊園「はなうたガーデン-伊東-」は、海の見える丘で千の木々に囲まれた絶景グリーン&フラワーガーデン霊園です。霊園の隣にはゴルフ場があり、大自然の中で家族や友人たちと楽しめます。お墓参りだけでなく趣味のゴルフを楽しめる「はなうたガーデン-伊東-」に一度足を運んでみてはいかがでしょうか。
思い入れのある土地にお墓を購入できる
リゾート葬では、先祖代々のお墓ではなく、自分で決めた場所にお墓を購入することになります。家族でよく訪れた思い出の場所や旅行で気に入っていた土地など、伝統に縛られることなく好きな場所にお墓を購入できます。
また、終活として事前にお墓を購入しておけば、生前から遊びに来て思い出を作ることも可能です。見晴らしの良い霊園を散歩したり、併設された設備を利用してレジャーを楽しんだり、周辺を観光したりなど、さまざまな楽しみ方があります。
ペットと一緒にお墓に入れる場合がある
リゾート葬が可能な霊園には、ペットと一緒にお墓に入るプランを提供しているケースもあります。人とペットを一緒に埋葬する「共葬」は、法律上禁止されていないものの、一般的な霊園では宗教感情や風習なども考慮して行っていないことも少なくありません。しかし、現代の宗教観を反映したリゾート葬では、家族であるペットと一緒に埋葬できるお墓が用意されている場合があります。
生前にお墓を探すことで相続税の節約につながる
リゾート葬を選択して生前からお墓を探すことは、相続税の面でも有用です。相続税法第12条2項により、お墓は非課税財産と定められているためです。例えば、50万円の現金を相続した場合は一定の税金がかかりますが、同額の墓地を相続しても残された家族に税金の負担はありません。そのため、相続税対策の一環としてリゾート葬を選ぶ方も増えています。
※出典:e-Gov 法令検索「相続税法(昭和二十五年法律第七十三号)」
リゾート葬のデメリット
リゾート葬には多くのメリットがある一方で、従来の埋葬方法とは異なることから気を付けるべきポイントもあります。リゾート葬を選ぶ場合には必ず理解しておきましょう。
家族や親族の理解を得る必要がある
「どこにお墓を購入するのか」は自分だけの問題ではないため、リゾート葬を選ぶ場合は必ず家族や親族の理解を得ましょう。リゾート葬では、家族や親族で所有しているお墓ではなく、自分で選んだ別のお墓を購入することになります。しかし、家族や親族の中には先祖代々のお墓を利用しないことに抵抗を感じる方がいる可能性もあります。購入後のトラブルを防止するためにも、事前に話し合いの場を設けることが大切です。現地に家族や親族を連れていき、土地の魅力を直接伝えるのも良いでしょう。
家族や親族の理解を得るのが難しい場合は、「分骨」という方法もあります。分骨は、個人の遺骨の一部を分け、別々のお墓に納骨することです。お墓と自宅の距離が遠く、定期的なお参りが難しい場合などによく利用されます。分骨によって一部を先祖代々のお墓に、もう一部をリゾート葬に納骨することで、従来の宗教観を守りつつ、自分の好きな場所に埋葬してもらうことが可能になります。
・お墓の移転・移動
リゾート葬によって先祖代々のお墓を新しい霊園に移す場合は、「改葬」という行政手続きが必要になります。墓地、埋葬等に関する法律第5条により、一度埋葬した遺骨は家族であっても勝手に移動させることができないためです。具体的な手順は以下の通りです。
1.移転先を決めて「墓地使用承諾証」と「受入証明書」の交付を受ける
2.移転元の管理者から「埋葬証明書」を発行してもらう
3.移転元の所在地の役場で「改葬許可申請書」を受け取る
4.申請書を作成し、移転元の所在地の役場で申請を行う
5.「改葬許可証」が発行されたら法要を行ったうえで遺骨を取り出す
6.お墓を解体し、墓所を更地に戻して変換する
7.新しいお墓に納骨する
契約内容や墓所の所在地によって流れが異なるケースもあるため、難しい場合は専門家に相談するのが良いでしょう。
※出典:e-Gov 法令検索「墓地、埋葬等に関する法律(昭和二十三年法律第四十八号)」
お墓参り時に費用がかかりやすい
リゾート葬でのお墓参りは、通常のお墓参りよりも費用がかかりやすい傾向にあります。お供え物の購入費や交通費に加えて、施設の利用料や宿泊費などもかかります。なお、リゾート葬の場合は旅行や観光も兼ねることができ、お墓参りが思い出に残るイベントになる点も見逃せません。
リゾート葬の費用の目安
リゾート葬の費用は、墓石の有無やエリアによって変わってきます。墓石を建てる一般墓の場合、150万円前後の費用がかかります。一方、樹木葬のように墓石を持たない葬送スタイルを選択する場合は、64万円程度が相場です。また、人気の観光地では価格がアップする可能性もあります。
まとめ
ここまで、リゾート葬の概要やメリット・デメリット、費用の目安をお伝えしました。少子高齢化や核家族化が進む現代において、新たな葬送スタイルとしてリゾート葬が注目されています。「先祖代々のお墓が家から遠くお参りしづらい」「思い出の土地にお墓を購入したい」といった希望がある場合は、リゾート葬を検討してみてはいかがでしょうか。