墓じまいのやり方は?必要な手続きを7つのステップで解説!
さまざまな事情から「お墓を受け継ぐのが難しい」という結論に至り、「墓じまい」という選択をする方が近年増加しています。
本記事では、墓じまいのやり方や必要な手続きについてご紹介していきます。
墓じまいとは?
「墓じまい」とは、現在利用しているお墓を撤去・解体し、更地の状態で霊園や墓地の管理者に使用権を返還することを意味します。
現在のお墓を墓じまいした後、永代供養墓地に改葬したり、ほかの墓地に遺骨を移送したりすることが一般的です。
墓じまいと改葬の違い
墓じまいと似ている言葉として「改葬(かいそう)」という言葉があることをご存知でしょうか?
改葬とは、現在の墓所から新しい墓所に遺骨を納め直すことを指します。
お墓自体の存在は続きますが場所のみが変更されるものであるため、「改葬過程の一部に墓じまいが含まれている」というイメージを持っておくと良いでしょう。
墓じまいを選択する人が増えている?
墓じまいだけの調査結果はないものの、改葬件数は年々増加傾向にあります。
厚生労働省が公開している衛生行政報告例のデータによれば、2022年度の墓じまい(改葬)の件数は、約15万件でした。
墓じまいを選択する人が年々増加している要因として考えられているのが、「核家族化と少子高齢化の加速」です。
核家族化・少子高齢化がともに進んだことにより、お墓を受け継ぐ後継者がいない人や、子どもにお墓の管理で負担をかけたくないと考える人が増えています。
その結果、墓じまいを選択する人が増加傾向にあります。
加えて、時代とともに「家」「祖先」に対する価値観が変化し、それに伴ってお墓に対する価値観も変化してきたことも墓じまい増加の要因の1つとして考えられています。
※出典:e-Stat「衛生行政報告例 / 令和4年度衛生行政報告例 統計表 年度報」
墓じまいのやり方と必要な手続き
墓じまいのやり方と必要となる手続きについてご紹介します。
1.家族や親族と相談して墓じまいを決める
お墓は個人のものではなく、家族や親族のものでもあります。
お墓を移転することで家族や親族がお参りできなくなってしまうなど、さまざまな理由から墓じまいを快く思わない方もいるかもしれません。
そのため墓じまいを検討する際には、最初に家族や親族に相談しましょう。
墓じまいを検討する理由に加え、墓じまいの方法・時期・費用に関してもなるべく細かく伝えておくことをおすすめします。
2.墓じまい後の供養方法を検討する
次は、墓じまい後の供養方法について家族・親族間で話し合いましょう。
墓じまい後に行う供養方法としては、新しく「一般墓」を立てるほか、「樹木葬」や「納骨堂」への改葬、「手元供養」、「散骨」などがあります。
それぞれメリット・デメリットがあるため、新たな供養方法に関しても家族や親族と検討しておくことが大切です。
手元供養以外は、この段階で新しい受け入れ先を決定しておくようにしてください。
お参りのしやすさや継承者の有無のポイントから適した供養方法を選択しましょう。 「管理する人がいない」「子どもに負担をかけたくない」「従来の石のお墓ではなく、自然の中で眠りたい」といった理由から墓じまいを検討する場合は、樹木葬がおすすめです。
樹木葬とは?特徴や費用相場、メリット・デメリットまで幅広く解説
3.墓地の管理者に墓じまいする旨を伝える
墓じまいが決まったら、墓地の管理者である霊園・寺院に墓じまいをする旨を伝え、「埋葬証明書」を発行してもらいましょう。
この時、長期間にわたり「檀家」としてお世話になってきた寺院が管理者となっている場合、伝え方によってはトラブルに発展してしまうことがあるので注意しなければなりません。
まずは、墓じまいの決断に至った事情や経緯を丁寧に伝えるようにし、理解を求めるようにしましょう。
4.自治体の窓口で改葬の手続きを行う
改葬するには法的な手続きが必要となるため、自治体への申請をしなければなりません。
既存のお墓がある自治体の役所に改葬の許可証を発行してもらうことで、はじめて遺骨の引っ越しを行うことができるのです。
役所の窓口で「改葬許可申請書」を受け取って必要事項を記入し、お墓の管理者から発行された「埋葬証明書」、改葬先から発行された「受入証明書」とあわせて提出します。
この3つの書類を提出することで、「改葬許可証」を発行してもらうことができます。
ただし細かな手続きは自治体ごとに異なるため、事前に確認しておくのが良いでしょう。
5.遺骨を取り出す
改葬許可証を発行してもらえたら、お墓の中の遺骨を取り出すことができます。
この際、お墓に宿っている魂を僧侶に抜いてもらう儀式、「閉眼供養」もあわせて行うことが多いです。
またお墓から遺骨を取り出すには、墓石を動かすことになるため石材店への依頼も必要です。
霊園・寺院に限らず石材店ともスケジュールを検討し、閉眼供養を行う場合は予定を調整しておくとスムーズでしょう。
6.お墓を更地にして管理者に返還する
遺骨を取り出したら、石材店にお墓の解体と墓石の撤去を行ってもらいます。
最後にきちんと撤去されているかを確認し、土をならして更地にしたら、管理者に土地を返還して墓じまいが完了となります。
7.新しいお墓に納骨する
最後に新しい改葬先に遺骨を納めていきます。
その際、新しいお墓に魂を迎え入れる儀式、「開眼供養(魂入れ)」を行うことも検討しましょう。
墓じまいにかかる費用の目安
墓じまいにかかる費用相場の目安は、総額30万~300万円程度と幅広いです。
墓じまいの費用には明確な相場というものがなく、改葬先をどのようにするかによってこちらの費用は大きく変動します。
そのため、あくまでも目安と思っておきましょう。
ここからは、それぞれの行程にかかる費用について詳しくご紹介していきます。
既存のお墓の解体・撤去費用
最解体・撤去費用は、既存のお墓を解体し、撤去する工事にかかる費用を指します。
1平方メートルあたり10万円程度が平均的な相場とされています。ただし、工事を行う石材店や、墓石の大きさ、墓地の広さや立地などの条件によって費用は異なります。
必要書類の取得費用
埋葬証明書や受入証明書の発行など行政手続きに必要な書類の取得費用は、数100円~1,000円程度です。
住んでいる地域の自治体によって金額が異なるため、手続きの流れや内容とあわせて事前に確認しておくと安心です。
閉眼供養の費用
閉眼供養の費用は、3~10万円程度が相場となっています。
しかしこの金額は「お気持ち」に委ねられているため、「実際にはいくら程度包めば良いのか」迷った際にはお寺に相談してみると良いでしょう。
離檀料
墓地や寺院では檀家を離れる際のルールとして、離檀料を支払うことがあります。
檀家として付き合いを続けた年数や関係性によって金額は異なりますが、相場は3~20万円程度です。
これまでお世話になった方に向けて、お礼の気持ちを込めてお渡しするものであるため、閉眼供養の費用同様、「お気持ち」に委ねられます。
檀家ではない場合、こちらの費用は不要です。
改葬先の費用
改葬先の費用は、供養の方法によって大きく異なります。
そのため新しい遺骨の受け入れ先には、総額で数万円~数百万円前後と費用相場の幅も広めにとられていることがほとんどです。
なお、納骨までの手続きが建墓と比べ早く、樹木葬であれば価格も比較的リーズナブルで跡継ぎの心配をする必要もありません。
宗教や宗派も不問であることが多いことから近年ニーズが高まっています。
まとめ
本記事では、墓じまいのやり方や必要な手続きについてご紹介しました。
従来お墓というものは、代々受け継がれていくものでした。
しかし少子高齢化や地方の過疎化が進行する中で、「遠方にあるお墓を管理しきれない」「跡継ぎがいないため、永代供養をしてほしい」「思い出の地で過ごしたい」という方が増えています。
霊園「はなうたガーデン-伊東-」では、樹木葬のご提供に加えて墓じまいに関する相談やサポートも承っております。
是非お気軽にご相談ください。